腸内フローラを知って育てる🌱

昨年末ぎりぎりに申し込んだ、大阪府枚方市のふるさと納税「Fiora ScanⓇ」のその後についてお話したいと思います。

「Flora ScanⓇ」は、予想以上に詳しく腸内細菌が解析されていました。

自分なりに家族の健康を考え食生活等、いろいろ気を遣っているつもりでしたが、もう一歩だった💦と気づかされました。

もっと詳しく知りたくなり、「腸内フローラ」研究の第一人者である内藤裕二先生の著書や出演されていたTV、動画も興味深くみさせていただきました。

「腸内フローラ」を良い状態の保つことが、こんなにも多くの不調を改善し、さらにプラスの効果を生むとは!!。

おかげさまで飲食物の選択や生活習慣を見直すモチベーションが、今までになく上がりました。

もっと早く、子供たちが幼い頃から、いえ母親になる以前から知って、腸活を始めれば良かったなあ⤵と後悔しました。(人の腸内フローラは生後3年ぐらいの間に個人ごとに定着するフローラが決まるそうです)

Flora ScanⓇ 結果報告書

日本人の腸内細菌叢を特徴付ける研究(日本人2000人の便を遺伝子解析)から日本人特有のエンテロタイプ(5タイプ)に分類しています。

腸内細菌タイプ食生活の特徴
Aタイプたんぱく質・脂肪タイプ動物性たんぱく質と脂質を多く摂取している。病気リスク高い
Bタイプバランス食タイプ3大栄養素をバランス良く摂取している。健康な人に多い
Cタイプアンバランス食タイプ炭水化物ばかり摂取しており、他の栄養素が不足している病気リスクあり
Dタイプタンパク質・脂肪・糖タイプタンパク質、脂質、糖質の摂取量が多い病気リスク高い
Eタイプヘルシー食タイプ脂質の摂取量が少なく、栄養素をバランスよく摂取している健康な人が多い
  • Bタイプ:有用菌が多く、中でも脂肪の吸収を抑える“ヤセ菌”として注目されているバクテロイデス菌や炎症を抑制する酪酸産生菌のフィーカリバクテリウムといった腸内細菌が多いのが特徴
  • Eタイプ:食物繊維の摂取量が多い人によく見られるプレボトラ属の有用菌が多いのが特徴
  • 健康なEタイプに比べて、糖尿病のリスクが、Aタイプは12.5倍、Dタイプは12.7倍、心血管疾患のリスクは、Aタイプは14倍、Dタイプは9倍
  • 腸内細菌タイプは自分の努力によって変えることができ、食生活を改善していくと最短で2週間、平均約4週間で腸内環境に良い変化が見られる。反対に、B、Eタイプの人でも不規則な生活を続けるとフローラの状態が悪化する。
「老けない腸の強化書」内藤裕二 監修

【総合評価】 「Fiora ScanⓇ」結果報告書の実物はこちら(PDFファイル)

  1. タイプの特定…《自分はタイプBでした》 
  2. 腸内フローラの多様性:多様性レベル2(5段階評価:多いほど良い)…《やや少な目》
  3. 10種類の疾患(高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、糖尿病、炎症性腸症候群、機能性胃腸症、肝疾患、内分泌疾患、心疾患、精神疾患)との関連度レベル(5段階評価)…《ほぼレベル1》
  4. 注目の有用菌の占有率 
    • ビフィズス菌:ビフィドバクテリウム属=酢酸、乳酸を産生し、腸内環境を良くする善玉菌の代表。加齢とともに減少。食物繊維を多くとると増加
    • 乳酸産生菌:ラクトバチルス属=発酵食品に含まれる。有用菌が多いが腸内フローラのバランスによっては悪影響を与えるものもあり、多ければ良いわけではない。
    • 酪酸産生菌フィーカリバクテリウム属短鎖脂肪酸を産生し腸管の異常な炎症を抑える菌。低脂肪食で増加。/ロゼブリア属=酪酸産生菌の代表で、長寿地域の優勢菌として報告されている。
    • その他の有用菌:ルミノコッカス属=短鎖脂肪酸を多く産生する/アッカーマンシア属やせ菌。肥満や・糖尿病と関係しBMIが低い人は多い傾向がある。
  5. 要注意菌の占有率
    • 腸内環境の乱れと関連する菌:ストレプトコッカス属
    • 大腸炎/大腸がんの発症や悪化と関連する菌:フゾバクテリウム属
    • おなかの調子に関連する菌:ウェルシュ菌(悪玉菌の代表)、エンテロバクター属(軟便や下痢)
  6. 腸内フローラタイプ判定に用いる主要細菌の構成比(対比棒グラフ)
  7. 細菌の特徴で分類した腸内細菌叢の構成比(対比 棒グラフ)

以上の結果が詳しく書かれています。

今まで、おなかの調子は意識しても、腸内の最近バランスまでは考えたことがありませんでした。

さらに腸内フローラが、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、糖尿病、炎症性腸症候群、機能性胃腸症、肝疾患、内分泌疾患、心疾患、精神疾患など多く疾病と関連しているとは…医学は日々進歩しているとしみじみ感じました。

驚いたことに、ほぼ同じ食事をしている夫と同時期に「Fiora Scan」検査をしたところ、夫は「Aタイプ:たんぱく・脂肪タイプ(病気リスク高)」、私は「Bタイプ:バランス食タイプ(健康)」と結果が分かれてしまいました。

2人の違いは、夫は毎日のように夕食後お菓子を食べる、喫煙する、有酸素運動をしないことです。

結果に青ざめて(本人はあまり気にしていない⁈)、有用菌を増やすために水溶性食物繊維酪酸菌配合のサプリメントをネット注文しました。

腸内フローラの改革は早くて2週間から効果がではじめるそうです。

始めて2週間ほど経ちました。徐々に変化が感じられるので、家族で皆で半年ほど続けて、もう一度「Fiora Scan」検査を受けようと思います。

ペットも腸内環境で病気のリスクが怖いほどわかる

ペットの健康保険で10年間業界シェア率1位の「アニコム」では、病気の予防にも力を入れており「犬と猫の腸内フローラ検査」を加入者に無料で行っています。腸内フローラのバランスを調べて病気の兆候を教えてくれます。その精度は社長さんが「ゾッとするほど分かる。」と語っていました。

契約者のペットが健康になると、病院へ行く回数が減る⇒保険金の支払い額が減る⇒会社の利益が増えるという構造なので、かなり説得力があります。

注目の酪酸菌

腸内の有用菌(善玉菌)の中でも、乳酸菌、ビフィズス菌に加えて、酪酸産生菌が注目されています。

酪酸・酪酸産生菌は、健康長寿に大きくかかわっている事が分かってきました。

【酪酸・酪酸産生菌がもたらすメリット】  

  1. 制御性T細胞を誘導し、抗炎症に作用する。(潰瘍性大腸炎、クローン病、多発性硬化症、コロナの重症化予防、糖尿病予防にもかかわっている)
  2. マクロファージ・B細胞にも作用する。(大腸の炎症、SLE、関節リウマチの抑制)
  3. がん抑制遺伝子を活性化し、がん予防にも関与する
  4. 悪玉免疫抑制細胞を抑制し、免疫療法の効果を上げる
  5. 腸上皮細胞のエネルギー源となり、バリア機能を維持する。(大腸上皮細胞は、エネルギーを体の中を流れる血液に頼らずに腸内細菌の代謝物の酪酸に依存している。抗酸化作用、活性酸素消去作用)
  6. 骨芽細胞を活性化し、骨形成を促進する。
  7. 腸管ホルモン分泌を刺激し、代謝を制御する。(食後の血糖値上昇抑制、食欲を抑制するホルモンを分泌
  8. 免疫寛容を誘導し、アレルギーを抑制する。(幼少期に食物繊維が豊富な食事を摂ることにより、酪酸が作られ免疫寛容が形成される)
  9. 腸脳相関にかかわる。(うつ病、多発性硬化症、パーキンソン病、下痢型過敏性腸症候群)
  10. IgA抗体の産生を増加させ、粘膜免疫を強化する。(抗インフルエンザ効果)
  11. 寿命を延長し、加齢による筋委縮を抑制する。(サルコペニア、フレイルの予防)
  12. ディスバイオーシスを改善させる。(抗生物質誘発性腸管炎症を制御)

参考:「酪酸菌を増やせば健康長寿になれる」内藤雄二

以上は、酪酸産生菌の働きとして紹介されていましたが、腸内には1000種類100兆個の腸内細菌がいて、全身の健康状態にかかわっています。

また腸には、体内の免疫細胞全体の70%がいます。

まさに、腸の状態を健康=全身の臓器の健康なのですね。

最近のトピックスは「腸脳相関」

ストレスがお腹にくるという経験がありませんか?。これは「脳腸相関」と呼ばれる、腸と脳の密接な関係よる現象です。

脳と腸は、自律神経やホルモンを介して互いにつながっています

逆に、腸の状態が脳に影響することも分かってきました。

最新の研究では脳と腸内細菌の関係も注目されています。

例えば、気分を前向きにしたり精神を落ち着かせたりする脳の神経伝達物質(GABA)は、実は大腸でも作られています。

ちなみにGABAは脳や脊髄の働きを穏やかにし高血圧の予防や睡眠障害の改善にも役立つ物質です。

腸内フローラが乱れると、うつや無気力を招きやすくなるそうです。

腸は脳だけでなく、運動能力(持久力)と相関があるという調査結果があります。(駅伝選手の腸内には短鎖脂肪酸を作るバクテロイデス属の菌が多い)

酪酸・酪酸産生菌の増やし方

  • 食生活:食物繊維と疾患リスク低下の最適量は1日25g~29g/日(日本人の摂取目標:男性21g、女性18g)ですが、日本人の目標をクリアしているのは60代女性のみでした。(令和元年度 国民健康・栄養調査より)
    • 水溶性食物繊維をいつもにプラスして5g摂るようにする。(特に良いのは腸内細菌のエサになる発酵性の食物繊維
    • 食品で摂れない場合は、市販のグアー豆酵素分解物で摂る。(グアーガムを酵素分解して粘性を下げ顆粒にしたもの。サンファイバー等、医療・介護現場で利用が広がっている。)
    • 朝・昼はしっかり、夜は軽く食べる。
    • 食物繊維をとるべきは、朝と昼。(食物繊維の多い食事を最初に摂ると、次の食事後の血糖値上昇も抑えてくれる=セカンドミール効果)
    • 酪酸菌を摂れる食べ物、サプリメントを取り入れる。(酪酸菌そのものを含む食品は、ぬか漬けや臭豆腐くらいしかない。酪酸菌配合のサプリメントがおすすめ。ビオスリーHi錠、強ミヤリサン、長寿のちから等)
  • 運動やや強めの運動(早歩き以上)の運動を30分~60分、週3回を6週間続けて行うと、BMIにかかわらず酪酸菌が増える。
  • 規則正しい十分な睡眠:体内時計の乱れは腸内フローラを乱す。就寝3時間前には夕食を済ませ、夜10時~深夜2時までは腸を休める。

長寿者が多い、京都府京丹後市

2021年の日本人の平均寿命は、男性81.47才、女性87.57才ですが、100才以上の長寿の人が全国平均の約3倍いるのが京丹後市です。

京都府立医科大学では、65歳以上の住民を対象に600以上の項目を15年にわたって経過観察中です。(京丹後コホート長寿研究)

今のところの分析で、塩分控えめで水溶性食物繊維が圧倒的に多い食生活日常的に適度な運動をする、地域の中での交流が盛んであることが分かっています。そして、腸内フローラの状態がとても良く、血管年齢も実年齢より20~30才若いそうです。

京丹後市の長寿を支える毎日の食事は「まごわやさしいよ」です。

昔、食育講座で聞いたような…覚えやすいですし、心がけたいと思います。

  • =豆
  • =ごま
  • わ=わかめ
  • =野菜
  • =魚
  • =しいたけ等きのこ類
  • =芋
  • =ヨーグルト

これからの京丹後市の調査・研究結果の報告が楽しみです。

そして、自分や家族の半年後の体調がどんな風に変化しているかも、とても楽しみです。 

~健康寿命を10歳長く~   …yell

〈参考〉

「老けない腸の強化書」 内藤雄二 監修(2023年4月出版)

「すごい腸と残念な脳」 内藤雄二著(2023年2月出版)

「酪酸菌を増やせば健康・長寿になれる」 内藤雄二著(2022年2月出版)

「腸すごい!医学部教授が教える最高の強化法大全」 内藤雄二著(2022年2月出版)

「人生を変える賢い腸のつくり方」 内藤雄二著(2016年3月出版)

「消化管は泣いています」 内藤雄二著(2016年1月出版)

TV「世界一受けたい授業」2023年4月22日放送

TV「あさイチ」2023年4月17日放送

TV「サイエンスZERO」2022年12月4日放送